ラッペーンランタ工科大学のグローバルな100%再生可能エネルギーシステム研究

槌屋 治紀 (株式会社システム技術研究所 所長)

2019年4月、フィンランドのラッペーンランタ工科大学(Lappeenranta University of Technology、LUT)とドイツのエネルギー・ウォッチ・グループ(EWG)は、2050年までに世界全体が100%再生可能なエネルギーシステムへの移行が可能であり、コストも小さいことを示す研究成果を発表した[1]。LUTは、数年前から100%再生可能なエネルギーシステムの研究を進めていた。今回の研究は、ドイツ連邦環境財団(DBU)による財政的支援によって行われている。

[1] Ram M., Bogdanov D., Aghahosseini A., Gulagi A., Oyewo A.S., Child M., Caldera U., Sadovskaia K., Farfan J., Barbosa LSNS., Fasihi M., Khalili S., Dalheimer B., Gruber G., Traber T., De Caluwe F., Fell H.-J., Breyer C. Global Energy System based on 100% Renewable Energy – Power, Heat, Transport and Desalination Sectors. Study by Lappeenranta University of Technology and Energy Watch Group, Lappeenranta, Berlin, March 2019.

以下にその概要を紹介し、日本に関する部分についてはWWFジャパン報告との比較を試みる。(以下では1ユーロ=125円で換算している)

主要な結論

  • グローバルな100%再生可能エネルギーシステムは現状のエネルギー供給よりも安価である
  • 2050年までに電力、熱、輸送部門における温室効果ガス(GHG)をゼロにすることが可能である

詳しくはEnergy Democracyのこちらの記事をご覧ください。